高橋進

没年月日:1983/02/21
分野:, (洋)

行動美術協会会員の洋画家高橋進は、2月21日午前4時35分、急性心不全のため、東京都町田市の伊藤病院で死去した。享年72。明治43(1910)年7月29日、韓国の大邸市に生まれる。本名金昌徳。昭和5年大阪中之島洋画研究所に入り小出卓二らに師事。同10年「ふたり」で第22回二科展に初入選し、同展および全関西美術展に出品を続ける。同22年第2回行動展に「立てる子供」「井戸端」「樹下」を初出品して友山荘賞を受け、翌年同会会員となり、以後同展に出品を続ける。「アジアの悲しみのようなテーマを描きたい」と語り、働く人々、戦争などの社会問題に苦しむ人々を主題として、線を生かした柔かい色調の画面をつくり上げる。同42年第22回行動展出品作「切れたテープ」は創立賞を受賞、太陽展などにも出品していたが、同48年病に倒れ、第28回行動展に「432」「ふたり」を出品したのを最後に長期療養生活を送っていた。

出 典:『日本美術年鑑』昭和59年版(298頁)
登録日:2014年04月14日
更新日:2023年09月13日 (更新履歴)

引用の際は、クレジットを明記ください。
例)「高橋進」『日本美術年鑑』昭和59年版(298頁)
例)「高橋進 日本美術年鑑所載物故者記事」(東京文化財研究所)https://www.tobunken.go.jp/materials/bukko/10124.html(閲覧日 2024-04-23)
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