龍一之介

没年月日:1983/03/24
分野:, (洋)

新芸術協会会長の洋画家龍一之介は3月24日午前7時35分、肝臓ガンのため東京都新宿区の国立病院医療センターで死去した。享年70。大正2(1913)年2月25日福岡県三池郡に生まれる。本名一。福岡市住吉小学校を卒業し、同15年父と共に上京。武蔵商業に入るが中退。太平洋美術学校で絵を学び、昭和10年第22回光風会展に「静物」で初入選。翌年第13回白日会展に「新宿風景」で初入選、また第4回旺玄社展にも初入選し同展には第8回展まで出品を続ける。この間、同13年から牧野虎雄に師事。同15年より戦地に赴き、18年帰国し中島飛行機荻窪写真部長となる。同21年同志と新生派美術協会を創立、同23年には同会を発展解消して現代美術協会を創立する。同25年渡仏し抽象画を研究。同40年新芸術協会を創立し、同50年同会長となる。同53年には同会員と共にフランス、ル・サロン展に出品し翌年同会員となった。自由な画風で知られ、代表作には「トレドへの道」「雲の桜島」などがある。没後同59年9月ギャルリ・アルカンシエルで回顧展が開かれた。

出 典:『日本美術年鑑』昭和59年版(300頁)
登録日:2014年04月14日
更新日:2023年09月13日 (更新履歴)

引用の際は、クレジットを明記ください。
例)「龍一之介」『日本美術年鑑』昭和59年版(300頁)
例)「龍一之介 日本美術年鑑所載物故者記事」(東京文化財研究所)https://www.tobunken.go.jp/materials/bukko/10121.html(閲覧日 2024-04-20)
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