清水刀根

没年月日:1984/03/25
分野:, (洋)

二科会理事、元群馬大学教授の洋画家、清水刀根は、3月25日午後1時22分、肝硬変のため前橋市の群馬中央総合病院で死去した。享年79。明治38(1905)年1月10日、群馬県前橋市に生まれる。本名、刀根男。大正13(1924)年、日本美術学校洋画科を卒業。同15(1926)年第13回二科展に「卓上静物」で初入選。以後同会に出品を続ける。昭和6(1931)年第18回二科展に「化粧する三人の女」「二人」「黒服の女」「静物」を出品し、二科賞を受け、翌年同会会友となる。一方、同5年、太平洋画会会員となるが、同10年退会。同9年、前橋に絵画研究所を開く。同18年、二科会会員となる。戦後、二科会の再編に参加。同25年5月、群馬大学教授となり、同45年停年退職するまで長く後進の指導に尽くした。同36年第46回二科会に「街」「牛と子供」を出品して会員努力賞を受賞。同54年、同会理事となった。初期には忠実な写生にもとづく人物像を多く描いたが、戦後マチス風の画風を経て、直線を多用した形態把握と幾何学的に整理された緊密な構図に至った。
二科展出品歴–13回(大正15年)「卓上静物」、14回「明石を着たる女」、15回「白布をまとへる裸婦」、16回「後向裸」「A煤煙の町」、17回(昭和5年)「裸体」「赤いペティコートの娘」「花畑」、18回「化粧する三人の女」「二人」「黒服の女」「静物」、19回「ホール」「裸体」「母子供」、20回「舗道」「素人写真」「緑蔭小亭」、21回「河原に働く男」「遊ぶ女」、22回(同10年)「海岸親子」「眠れる母子」「静物」、23回「庭上三人」「浴衣着の女」、24回「唄」「双鏡」、25回「砂上」「風呂」、26回「野」「緑庭」、27回(同15年)「温室」、29回「良民たち」、31回(同21年)「丘」「室内」、32回「室内」「静物」、34回「海辺三人」「画室の二人」、35回(同25年)「海辺裸女」「画室の裸女」、36回「夏」「水」「白裸」、37回「レダ」「娘と猫」「農人」「鳥篭」、38回「子供二人」「母と子」「憂愁」、39回「懐古」「鳩」、40回(同30年)「少年」「群像」、41回「楽器を持つ女」「街と学生」「漁婦」、42回「山の話」、43回「若者」「庭」、44回「山」「村」、45回(同35年)「曳」「プラカード」、46回「街」「牛と子供」、48回「鳥篭」「室内」、49回「親児」、50回(同40年)「親仔馬」、51回「屋外レストラン」、52回「巴里の街(A)」、53回「教会」、54回「聖堂」、55回(同45年)「屋外カフェー」、56回「踊子」、57回「壷」、59回「街の朝」

出 典:『日本美術年鑑』昭和60年版(243-244頁)
登録日:2014年04月14日
更新日:2023年09月13日 (更新履歴)

引用の際は、クレジットを明記ください。
例)「清水刀根」『日本美術年鑑』昭和60年版(243-244頁)
例)「清水刀根 日本美術年鑑所載物故者記事」(東京文化財研究所)https://www.tobunken.go.jp/materials/bukko/10108.html(閲覧日 2024-04-24)
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