小島善太郎

没年月日:1984/08/14
分野:, (洋)

 独立美術協会創立会員で、洋画界の長老であった小島善太郎は、7月14日より帯状ヘルペスで入院、治療中であったが、8月14日午前10時5分、心不全のため東京都日野市の花輪病院で死去した。享年91。明治25(1892)年11月16日、東京新宿区に生まれる。同43年、陸軍大将中村覚の書生となり、同年より太平洋画会、日本美術院、葵橋洋画研究所などで学ぶ。安井曽太郎に師事。大正7(1918)年第5回二科展に「冬枯の堀」で初入選し、以後同会に出品を続ける。一方、同9年、東京都主催巽画会に「やわらかき光」を出品して受賞、翌10年大正博覧会には「四ツ谷見附」を出品して受賞する。同11年、野村徳七の後援を得て渡欧、フランス、イタリアを巡歴し、パリのグラン・ショーミエールでシャルル・ゲランに師事、同12年のサロン・ドートンヌに入選する。同14年帰国し、翌年新宿の紀伊國屋で帰国展を開催するとともに、留学時代の友人であった前田寛治、木下孝則里見勝蔵と一九三〇年協会を創立。フランス絵画の影響の強かった当時の洋画界に、新帰朝者として指針を示した。昭和2年「林中小春日」で二科賞を受賞。同3年日本美術学校教授となる。同5年、同志12名と独立美術協会を創立し、二科会を退く。セザンヌを尊敬し、自然との親和をめざした精神性の高い制作態度を貫いて、独自の堅実な画境を築いた。戦後も独立美術協会に出品を続けるとともに、画廊、百貨店で個展を開催。同27年明星学苑理事、同42年東京純心学園短大教授となり教育にも尽くした。東京青梅の自然を愛し、同市との縁が深く、同59年10月1日には同市立小島善太郎美術館が開館することとなっていた。

二科展出品歴 5回(大正7年)「冬枯の堀」、6回7回出品せず、8回(同10年)「ダリア」「四谷のトンネル」、9回「頽庭」「無題」、10回「エチュード」、11回出品せず、12回「エスタークの風景」「巴里近郊」「ネラバレの風景」「マルセイユの近郊」、13回(同15年)「郊外秋景」「青きフォートイユによりて」「秋晴」「巴里ヴアンセンヌの池畔」「クラマール風景」、14回(昭和2年)「林中小春日」「編物」「雑林秋色」「曇日」、15回「初夏の縁」「奈良郊外」「冬日」、16回「梅林」「花」「諏訪湖遠望」「風景」「諏訪湖風景」「舞子」、17回(同5年)「裸女ポーズ」「菜の花」「相州吉濱村」「蜜柑畑」「吉濱村遠望」

独立展出品歴 1回(昭和6年)「嵐山の秋」「雪景」、2回「笛と老人」「花」「嵐山」「駅路の春」「ヴァィオリン弾く男」「秋」「椿」「静物」「嵐峡」、3回「秋の妙義山」「妙義嶽秋景」「石門」「秋山」「秋」「山上の丘」「岩山」、4回「秋晴」「奈良土塀」「秋の景」「雲丘」「雪山」「風景」「春日山」、5回(同10年)「巌壁」「激流」「溪谷」「島」「静流」「溪流」、6回「梅の丘」「南国梅日」「早春麗日」、7回「南国の小春日」「激流」、8回「武蔵野の秋」「村のこども」「多摩川風景」「母子」「村のナポレオン」「庭」、9回「柿ナル里も」、10回(同15年)「妙義山石門」、11回「冬木立」「春庭」「麦踏み」「田園小春」「K夫人像」、12回「風景」「松島」「春帽」、15回(同20年)「静物」「田園早春」「田園早春」、16回「編物」「村の春」「あざみ」「荒地の秋」「秋の湖畔」、18回「椿」「つつぢ」、20回(同27年)「桃」「髪」「松」、21回「仕度」「猫」「静物」、22回「桃」「麦踏み」、23回(同30年)「静物」「狩野川風景」、24回「ざくろ」「静物」、25回「カンナ」、26回「孔雀(壁画の一部)」「ダリヤ(李朝の壷)」「ダリヤ(黒い壷)」、27回「南伊豆風景(B)」、28回(同35年)「早春の長崎港」「長崎の港夕景」「長崎教会堂の一角」、29回「武蔵野の雑木林」「桃」、31回「林中のつどい」、32回「桃」「ダリヤ」、33回(同40年)「いこい」「春庭」、34回「多摩の秋景」「裸女」、35回「早春の庭」「桃」、36回「春庭雨後」「桃」、37回「多摩の秋景」「桃」、38回(同45年)「書見」、39回「桃」「人形」、40回「桃(A)」「桃(B)」、41回「春」「高見」、43回(同50年)「裸婦立像」「裸女背向」、44回「梅びより」「北信濃の桃十二個」、45回「早春暖日」「桃」、46回「女体座像」「志賀高原笠嶽」、47回「夏山白根山上の焼山」「桃源勝沼春景」、48回(同55年)「桃」「甲州桃源」「勝沼街道春景」、49回「桃」「猫」、50回「裸女と孔雀」「ポーズする裸女」、51回「奥多摩秋景」

出 典:『日本美術年鑑』昭和60年版(253-254頁)
登録日:2014年04月14日
更新日:2015年12月14日 (更新履歴)
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