森兵五

没年月日:1989/10/09
分野:, (洋)

 独立美術協会会員の洋画家森兵五は10月9日午後2時45分、食道がんのため横浜市金沢区の横浜南共済病院で死去した。享年65。大正13(1924)年1月2日、神奈川県横浜市に生まれる。父親も時折独立展に出品していた関係で、独立美術協会の講習会などに参加し、昭和16(1941)年第11回独立展に「花」で初入選。以後同展に出品を続ける。同18年まで多摩美術学校専科に学ぶ。戦後も同協会に参加し、30年第23回展に「樹木の在る風景」「港ノ市街」を出品して独立賞受賞、同35年同会会員となる。同46年南ヨーロッパに渡りルネサンス期、およびそれ以前の美術を研究したのに続き、翌年もスペインのマドリッド大学内に滞在してエル・グレコの研究を行なう。風景画を得意とし具象画から出発したが、昭和30年代に抽象画へと移行し、大胆な色彩と即興的筆致を特色とする作風を示した。同51年ニューヨークを、翌52年はパリを訪れる。最晩年は再び具象画へともどり、対象の形体を簡略化してとらえ、鮮やかな色面で画面を組み立てた明快な作風へと変化した。郷里であり在住地であった横浜に多く取材し、昭和34年から37年まで横浜美術協会会員であったほか、横浜の美術振興に寄与し、独立美術協会にあっては十数年間にわたり協会事務局となって会の活動を支えた。

独立展出品歴
第11回(昭和16年)「花」(初入選)、15回「風景(二)」「風景(五)」、20回(同27年)不出品、25周年展(同31年)「樹木B」「樹木D」、25回(同32年)「八月(1957)」「八月(1957)」、30回「太陽のある風景」、35回「60~10」、40回(同47年)「2」「1」、45回「Sept 1977」、50回(同52年)「カーテン」、55回「風景〈愛川〉」

出 典:『日本美術年鑑』平成2年版(253頁)
登録日:2014年04月14日
更新日:2015年12月14日 (更新履歴)
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