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構想画の試み


『昔がたり』(画稿構図)

 黒田にとって、新鮮な環境のなかで聞いた物語の感動から出発し、物語そのものを描くのではなくて、自分が感動した場を群像の構成をもって再現しようとした制作であった。黒田が帰国後にしばしば語った本当の制作、構想画の試みでもあったが、結果としては現代風俗画を制作したこととなった。この一連の油彩習作と木炭素描は、すべて第1回白馬会展に出品され、その影響から、和田英作『渡頭の夕暮』や、白滝幾之助『稽古』などの明治風俗画の佳作が生まれたといえよう。
 また、その後の黒田は、「智・感・情」などで構想画を試みているが、完成度からして、画家自身も満足できるものではなかったのである。このように、アカデミズムの集約としての構想画は、黒田にとって生涯にわたる課題でもあった。
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