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調査研究紹介9.蛍光X線分析・有機染料の使用

 第一扇の椿を持つ少女の衿先の裏地には「アサキ」、第五扇の三味線を弾く女の桐の葉文様の黄色部分からは「キ」という色注が、近赤外線画像で確認されました。それぞれ淡い青色である「浅葱色」と「黄色」を示していると考えられます。これらの部分を蛍光X線分析を行うと、カルシウムのみが検出されました。マクロ画像で拡大してみると、青や黄色の粒子は確認できません。ここでは胡粉と見られるカルシウムを主原料とする白色の絵具に、有機質の染料を混合させ、青系と黄系の色を表していることが推測されます。

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