この共同研究では蛍光X線分析装置によって彩色材料(無機顔料)についても調査しました。全体で394ポイントの測定を行いました。 彦根屏風に描かれている人物15人全員の顔や腕などの肌部分を分析すると、人物によって塗り分けられていることがわかりました。特にもっとも浅黒い肌色をしている第四扇文を読む男の肌部分からは、鉄 (Fe) と水銀 (Hg) がもっとも多く検出されました。汚れなど経年変化ではなく、制作当初からちがう肌色に塗り分けることが意図されていることが明らかになりました。