TOP PAGE
調査研究紹介  1. 下描き線

 近赤外線撮影調査は絵画制作に用いられている材料の違いや肉眼では確認できない情報を、目視できる画像情報として記録することを目的としています。一般的には、炭素が赤外線を吸収して黒く写るため、墨線がより見やすくなるというような効果が知られています。彦根屏風には画面全体に下描き線が存在し、概ねその下描き線に沿って現在見えている絵が描かれていることがわかりましたが、部分的に修正されている部分もあります。下の画像は第五扇の口元を隠す女の部分です。近赤外線画像では右目の下に下描き線が見え、本制作において位置が上に修正されていることがわかります。

第五扇 部分図 口元を隠す女の顔 同左 近赤外線画像
 ← 戻る    はじめに 1     2         3         4         5         6         7         8         9        次へ → 
このページのコンテンツの著作権は東京文化財研究所に帰属します。
Copyright 2010. Independent Administrative Institution National Research Institute for Cultural Properties, Tokyo, Japan.