ブックタイトル未来につなぐ人類の技17 煉瓦造建造物の保存と修復

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概要

未来につなぐ人類の技17 煉瓦造建造物の保存と修復

まま、煉瓦が交換されたことに原因があると考えられる(写真3-7)。?壁面の洗浄写真3-4差し替え補修された煉瓦壁面2貼り付け補修の問題貼り付けた表面の煉瓦が健全であっても、内部に残された当初の煉瓦が補修後さらに劣化し、貼り付け煉瓦が?落するなどの懸念があるため、定期的な補修箇所の確認が必要となる。(写真3-5)。3合成樹脂剤による補修の問題写真3-7差し替えられた煉瓦が再び劣化している煉瓦壁に強く固着した白華を除去することで周囲の健全な部分を損傷する恐れがある。?腐食した金属の除去煉瓦の部分的解体を伴うとともに、腐食した金属に歴史的・技術的価値が認められることが多いため、容易に除去する選択をとりにくい。写真3-5貼り付け補修された煉瓦壁面(白枠内)合成樹脂剤による補修箇所は、紫外線の影響により変色することが多い(写真3-6)註10。3-3.破損に関する現状の課題?亀裂箇所の補修について亀裂の程度が小さく安全性の面からもモルタル注入で対応可能なケースであっても、外観上の問題から煉瓦の差し替えが行われることがある。3-4.まとめこれらをまとめると図3-1,3-2のようになる。?補修した材料の劣化写真3-6合成樹脂剤によって補修された煉瓦壁面(白枠内)補足煉瓦に差し替えることによって、補足した煉瓦や補足した周囲の煉瓦が新たに劣化することがある。この問題は、?の水分の侵入を抑制する対策でも述べたように、水分の侵入を抑制する根本的な措置が講じられない85