ブックタイトル未来につなぐ人類の技17 煉瓦造建造物の保存と修復

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概要

未来につなぐ人類の技17 煉瓦造建造物の保存と修復

日本における煉瓦造建造物耐震補強の近年の動向西岡聡文化庁文化財部参事官(建造物担当)付文化財調査官○建築基準法…一般的な建築物に適用日本の建築物にかかわる法律。○重要文化財(建造物)耐震診断指針を文化庁で定めている。…重要文化財に指定された建造物は建築基準法の適用除外となるため、別途考え方と診断方法を定めたもの。主に伝統的木造建築物を想定。建築基準法の紹介目的…建築物の敷地、構造、設備及び用途に関する最低の基準を定めて、国民の生命、健康及び財産の保護を図り、もつて公共の福祉の増進に資する。構造耐力…自重、積載荷重、積雪荷重、風圧、土圧及び水圧並びに地震その他の振動及び衝撃に対し安全な構造とすることを目標とする。組積造について高さ13m、軒高9mを超えるものは大臣認定が必要。それ以下のものも、壁長さ、壁厚、臥梁設置、開口部の制限など細かい仕様規定がある。→小規模なものを除き、新築されることは極めて希である。重要文化財(建造物)耐震診断指針目的…地震時における文化財的価値の保護と安全性の確保入力地震動…建築基準法施工令に準じた大地震動及び中地震動を使用必要耐震性能…機能維持水準:大地震動時に機能が維持できる。安全確保水準:〃倒壊しない。復旧可能水準:〃倒壊の危険があるが文化財として復旧できる。人が内部に入らない神社の本殿などを対象とする。組積造について構造特性に応じた手法により耐震診断を行う。細かくは定められていない。入力地震動大地震動…「極めて希に発生する地震」最大級の地震荷重明記されていないが…500年に1度程度震度Ⅵ強程度静的水平荷重として…建造物の重量の1.0倍(1.0G)準動的な力として…標準応答スペクトル中地震動…「希に発生する地震」建築物の存在期間中に数回遭遇する明記されていないが…50年に1度程度震度Ⅴ程度静的水平荷重として…建造物の重量の0.2倍(0.2G)準動的な力として…標準応答スペクトル・等価線形化法で用いられる標準応答スペクトルを日本とイタリアとで比較(スライド1)。入力地震動大地震動時の標準応答スペクトル(減衰率5%)日本とイタリアの比較縦軸:加速度日本イタリア横軸:建物の固有周期短周期でイタリアが、長周期で日本が大きい値となる。スライド1参考:おもな地震のおもな観測点の加速度応答スペクトル(気象庁Hp)スライド2参考:おもな地震のおもな観測点の加速度応答スペクトル(気象庁HP)64第5章日本における煉瓦造建造物耐震補強の近年の動向