ブックタイトル未来につなぐ人類の技17 煉瓦造建造物の保存と修復

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概要

未来につなぐ人類の技17 煉瓦造建造物の保存と修復

港埠頭煉瓦造倉庫の事例は、積み施工における、ひとつひとつの煉瓦の配置作業において、人間の創意・工夫が凝らされたであろう。旧塩務局煉瓦造倉庫の事例は、地域で調達可能な煉瓦を経済的に用いる努力が見て取れる。以上、壁面を構成しているひとつひとつの煉瓦がその原位置にある、ということに価値がある。したがって、煉瓦造建築を修理・修復する際には、「煉瓦の積み直しは極力避けること」「補足(新調)煉瓦の採用は慎重にすること」を実現する技術が重要であると考える。註1.国の登録有形文化財の登録基準1国土の歴史的景観に寄与しているもの2造形の規範となっているもの3再現することが容易でないもの2.営繕管財局を代表とする大蔵省に設置された営繕組織で臨時葉煙草製造準備局建築部、臨時税関工事部、臨時建築部などがある。3.長谷川直司、馬場明生、守明子(2003)「旧醸造試験所酒類醸造工場の図面書入れ寸法と煉瓦モデュール」『日本建築学会計画計論文集』Vol.68,No.574, pp.193-199.4.東京大学生産技術研究所村松研究室(村松貞次郎、藤森照信、堀勇良、堀江章彦、時野谷茂、松鵜秀也)(1978)『新港埠頭上屋調査報告書』大高建築設計事務所.19