ブックタイトル未来につなぐ人類の技17 煉瓦造建造物の保存と修復

ページ
107/130

このページは 未来につなぐ人類の技17 煉瓦造建造物の保存と修復 の電子ブックに掲載されている107ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

概要

未来につなぐ人類の技17 煉瓦造建造物の保存と修復

7.構造補強計画7.1.山形県旧県会議事堂名称:山形県旧県会議事堂建設年:大正5年(1916)構造形式:煉瓦造、一部二階建、スレート葺建築面積:866.4m2所在地:山形県山形市旅籠町三丁目4番51号所有者:山形県指定・登録(指定・登録年月日):重要文化財(1984.12.28)工事期間:昭和61年度?平成2年度庁舎移転後は、仮合同庁舎として使用され、昭和59年に建物としての機能を終え、同年12月に国指定重要文化財になった(写真7-2)。保存修理工事は昭和61年か註ら平成2年にかけて実施された40。?当初の補強計画県会議事堂は、議事堂としての機能を終えてからは、県庁舎の一部、仮合同庁舎として使用されてきたため、内部空間は大きく変更されていた。県庁舎として使用する際には、列柱やヴォールト天井が撤去され、戦時中には、屋根窓、換気塔が金属供出され、空襲対策として漆喰天井も撤去されるなどの大規模な改修が実施されてきた。そのため、保存修理工事の当初計画案では、当初復?工事までの経緯県会議事堂は、大正2年4月起工、同5年6月に完成した(写真7-1)。議事堂として建設されたが、公会堂としての利用も考えられ、演台部分を除き段差の無い内部空間が構築されている。当該建物横に新県会議事堂が建設された昭和5年まで使用され、その後、県庁舎の一部として昭和50年の県庁舎移転まで使用された。県写真7-2解体前議場内部東側(左側の壁は中廊下を仕切る壁)(写真提供:公立大学法人長岡造形大学木村勉名誉教授)写真7-1議事堂鳥瞰写真(建物正面2階建て部分が南棟、平屋部分が議場)(出典:重要文化財山形県旧県庁舎及び県会議事堂保存修理工事報告書1旧県会議事堂編)図7-2当初の補強案(出典:重要文化財山形県旧県庁舎及び県会議事堂保存修理工事報告書1旧県会議事堂編)図7-1当初の議場断面図(出典:重要文化財山形県旧県庁舎及び県会議事堂保存修理工事報告書1旧県会議事堂編)図7-3修理工事前の議場断面図(出典:重要文化財山形県旧県庁舎及び県会議事堂保存修理工事報告書1旧県会議事堂編)105