ブックタイトル未来につなぐ人類の技17 煉瓦造建造物の保存と修復

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概要

未来につなぐ人類の技17 煉瓦造建造物の保存と修復

5-6.据え直し貫通亀裂壁面の保存名称:シャトーカミヤ旧醸造場施設醗酵室洗滌場建設年:明治36年(1903)構造形式:煉瓦造、地上二階地下一階建、鉄板葺、建築面積436.75m2所在地:茨城県牛久市中央三丁目20番地4所有者:オエノンホールディングス株式会社指定・登録(指定・登録年月日):重要文化財(2008.06.09)工事期間:平成24年度?平成28年度写真5-20据え直しを行った壁面の修理前の状態(青線が目視で確認できる亀裂の範囲)(写真提供:文化財建造物保存技術協会)写真5-21亀裂壁面内壁の構造補強部材(補強部材のみ着色)?補修の経緯東北地方太平洋沖地震により、洗滌場東妻面丸窓付近にて水平方向に貫通亀裂が生じた(写真5-20)。この亀裂により、壁面上部はわずかに面外方向へズレ動いた。ただし、丸窓や持ち送りなどに意匠・技術的価値が認められる。亀裂上部の煉瓦壁面は、比較的健全な状態であることが確認された。そのため、積み直しではなく、壁面上部の揚屋据直しが選択された。据直し後、壁面は鉄骨で補強された(写真5-21)。なお、施設内では、事務所の傾斜した煙突も揚屋据え直しが行われて註いる(写真5-22)35。写真5-22修理後の壁面(両側の緑三角上部の壁面を揚屋)98第6章煉瓦造建造物の保存と修復に関する事例集