ブックタイトル未来につなぐ人類の技15 洋紙の保存と修復

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概要

未来につなぐ人類の技15 洋紙の保存と修復

Sullivan, S., S. Brogdon-Grantham, K. Taira. 2014. New Approaches to Cleaning Works of Art on Paper and Photographs,AssociationforNorthAmericanGraduateProgramsinConservation)ANAGPIC2014.Vallieres, J. 2013. Gellan Gum: Investigating Applications as a Solvent Gel, Research Project, Master of Art ConservationProgram,Queen’sUniversity,Kingston,2013.17)ミクロ退色試験は、インク、染料、顔料の潜在的退色率を測定するものである。光劣化促進試験の実施は、ピンポイントのインクや色の退色をさせるには時間がかかる。装置が退色を感知するまで、小さいながらも強い光線を的に向かって直接照射する(光は40~60ルクスで日中の太陽光よりも強いが、気温は28℃以下である。標準的な試験時間は約10分間である)。裸眼では結果は明らかに見えない。この過程では標準尺度であるブルー・ウール・レーティング(the Blue Wool Rating)を使用する。尺度1~8の場合、1~3は最も敏感で退色の危険性が高い。Tse, Season and Paul Begin,“Proclamation of the Constitution of Canada: Microfade Testing of Signature Inks and Analysisof the Paper Stock for Library and Archives Canada”, Canadian Conservation Institute, Report No. CSD 4804, CCI 122450, 11January,2013.18)無酸素(Anoxic)は、低酸素で、典型的にバルブを使って密閉ケースの酸素を追い出し、不活性ガス(たいてい窒素)への入れ替えを行うものである。酸素は(紙などの)有機素材の劣化を加速させるため、無酸素環境は劣化を遅らせ、素材の長期保存を行うために良い選択肢を与えるものである。ミクロ退色の研究では、酸素削減が万年筆インクの耐光性を高めることができると述べている。絶対湿度を低くすることも耐光性を高めると言われているが、その効果は酸素を削減するよりも低い。以下参照:Anoxia and Microfading: the impact on Collection Care, Tate, London, UK, 12-13 September 2011. http://www.conservatorsconverse.org/2012/02/presentations-from-anoxia-and-microfading-the-impact-on-collection-care-12-13-september-2011-are-nowavailable-online/19)http://variguard.com74