ブックタイトル未来につなぐ人類の技15 洋紙の保存と修復

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概要

未来につなぐ人類の技15 洋紙の保存と修復

写真11綴葉装写真12糸綴のノート写真13無線綴写真14中綴写真15ミシン綴写真16糸綴付されたセロハンテープの変色や粘着剤の露出、ホチキス(ステープラー)針からの錆の発生なども生じていた。3-3修理原則本史料は、今後も防火・防犯設備を有し、温湿度管理や生物被害対策が図られる空間で、専門的知識を有する職員により継続的に管理されることが担保されるという条件を前提に、以下のような関係者共有の原則が設定された。【原則】1予防的処置は原則行わない。(過剰なアルカリ性物質の添加など)2修理後に定期的な経過観察を実施する。(特に劣化の進行等において注意が必要な箇所については確認を継続する。)3補修および処置に用いる諸材料は分析および試験により選択し、関係者合意のものとする。4現状維持を基本とし、現在使用されている材料などは保存に耐えうる限り極力再利用する。-破損している背くるみは補修し再使用する。欠落しているものに限り安定な諸材料を用いて作製し新補する。-綴糸のうち、解装するものおよび断裂もしくは脆弱化しているものについては新調する。5解体が必要と判断されるもののみ解体して処置を行い、処置後は現状と同様の方法により再装丁する。6錯簡や綴じ直しなどの状況は詳細な観察を行い、オリジナル性(鎌倉氏によるものか、など)を見極めながら対応する。7各頁、各附属物など、個別の対応策を講じる必要がある場合は都度協議を行い、具体32