ブックタイトル未来につなぐ人類の技15 洋紙の保存と修復

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概要

未来につなぐ人類の技15 洋紙の保存と修復

写真17写真18紙関係の修復場紙関係の修復場伝世品の修復手順を準用しながらこれまで対応してきたが、やはりそれでは対処しきれないものも存在するため、洋紙の修復に関する調査研究が更に必要となる。また、前述した様に、劣化した紙を見たらすぐ「脱酸」と言うような一律な対応をするのではなく、きめ細かな劣化状態の観察を元に、処理の方法或は処理が必要かどうかまで含めて判断してゆく事が大切なのではないかと考える。また、関連した事項になるが、「脱酸」と並んで良く口にされるのが「中性紙の箱(封筒)に収納する」という言葉である。もちろんこれが悪いという事ではないが、それでは中性紙の箱(封筒)に一度入れればそれで終わりにして良いのであろうか。決してそんな事はないはずである。中性紙でも時間が経てば酸性に変化して行くはずであり、その問題にどのように対処したら良いのか。もちろん新しいものに替えるのが普通であろうが、それでは何時新しくすべきなのかは、誰も口にしない。今後はそのような事もきちんと調査し、把握しておく必要がある。10