ブックタイトル未来につなぐ人類の技15 洋紙の保存と修復

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概要

未来につなぐ人類の技15 洋紙の保存と修復

が建設されている。今回はガティノー保存センターに修復部門がある事もあり、そちらの調査を実施した。ガティノー保存センターは1997年に竣工した現代的な作りである。鉄骨構造にガラスの壁を持ち、ステンレスの屋根をのせている。内部にコンクリート構造の収蔵庫を入れ込んだ二重構造になっている。これは害虫や環境制御の容易さを目的とした構造様式との事である。空調や電気等のインフラ設備は全て隣の別棟に配されておりパイプを通じて供給されている。(写真8? 10)内部に入れ子式になったコンクリート製の建物は5階建てとなっており、3階までが収蔵施設、4階が設備関係、5階が修復施設や研究施設となっている。1階から3階までの収蔵設備は、各階、16部屋に分かれており(全部で48部屋)、それぞれ収蔵されているものが異なり、それら収蔵品に適した環境制御が可能となっている。(写真11 ?16)5階には、紙資料(書籍、写真、地図、絵画作品など)の修復設備や研究設備をはじめ、オーディオ関連の編集や修復が出来る設備等も備えられている。(写真17、18)カナダにおいては、国立図書館・公文書館とCCI(Canada Conservation Institute)と一緒になって、文化財の修復に関する調査研究を行い実作業に反映させている。4.洋紙の保存と修復の今後洋紙に対して文化財としての修復作業が要求されるようになって来た中で、木材パルプが多く使用され、構成する繊維も短い洋紙の修復に写真8ガティノー保存センター(遠景)写真9二重になった内部構造写真10隣接する施設からの配管類8