ブックタイトル近代テキスタイルの保存と修復

ページ
59/80

このページは 近代テキスタイルの保存と修復 の電子ブックに掲載されている59ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

概要

近代テキスタイルの保存と修復

部分の付け方を参考に、落下していた物を縫い留めていった。さらに表地カットワーク部分のシュニール糸による装飾は、シュニール糸を縫い留める糸が切れた為に、カットワークの縁で絡まり取れかかっていた。これも完全な形の残存箇所を参考に、また、シュニール糸自体に残った、縫留め跡を見ながら留め直した(写真20)。ほかに、ボディスの表地とアンダーボディスの間のレースは、クレープラインで裏打ちして、裂けが広がらないよう、劣化の予防と補強をしている(写真21)。ボディスについては、表地の構造・縫目が複雑でオリジナルを損なう可能性があり、かつ、損傷が部分的だった為、全体をほどくことはせず、オリジナルの風合いを損ねないと思われる写真19写真20ウォルトのドレス(1900年頃)の補修と収蔵品の保存について57