ブックタイトル近代テキスタイルの保存と修復

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概要

近代テキスタイルの保存と修復

先に述べたように、オリジナルの裏にあたっていたチュールは、カットワーク部分でチュールが無くなったり絡まったりしていた。そこでサテンを部分裏打ちしたのち、同色に染めたチュールを表地の裏から全面にあてて、オリジナルのチュールの絡まった部分はアイロンで伸ばし、新しくあてたチュールに縫い留めた(写真16)。アンダースカートのサテン地は、生地の損傷が全体にわたっていること、サテン地の厚みを考えて、クレープラインという透明感のあるシルクの生地と厚羽二重の2種の布で全面サンドイッチすることにした。アンダースカートのサ写真9ウォルトイヴニング・ドレス1900年頃京都服飾文化研究財団提供・所蔵広川泰士撮影ウォルトのドレス(1900年頃)の補修と収蔵品の保存について53