ブックタイトル近代テキスタイルの保存と修復

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概要

近代テキスタイルの保存と修復

写真2 KCI収蔵庫内写真3ハンガー掛け収納の例写真41790年頃のイギリスのドレスインド製モスリンに銀糸刺繍出しや中性紙のアーカイバルボードで作った専用の箱に収納している(写真3、4)。平置きの収納の場合は、薄い中性紙をクッションにしたり、色移り・摩擦を防ぐために中性紙でカバーしたりしている。写真5左図は18世紀、19世紀の靴であるが、このように上に物が重ねられないもの、また、写真5右図のビーズドレス(1920年代)のように重量があって繊細なもの、そのほか写真6の1910年代の頭飾りに使われた鳥のはく製や扇などの繊細なものは、アクリル製トレイに収納している。靴や帽子なども、中性紙のアーカイバルボードで、それぞれのサイズや形に合った箱を作り収納している。写真7は補修スタッフが作った箱の一例である。かかととつま先に靴の形に合わせた細工をして、より安定するように工夫している。補修の目的と補修方法の検討についてここから補修について述べていくが、KCIの主な収蔵品は、衣装であるという立体的特性かウォルトのドレス(1900年頃)の補修と収蔵品の保存について49