ブックタイトル近代テキスタイルの保存と修復

ページ
22/80

このページは 近代テキスタイルの保存と修復 の電子ブックに掲載されている22ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

概要

近代テキスタイルの保存と修復

表2合成繊維の発明および製造年年繊維の名称発明者1883ニトロセルロース英)Joseph Swan特許取得人造絹糸(artificial silk)と命名1889ニトロセルロース仏)Hilaire de Chardonnet繊維化、レーヨンと命名し発表1893アセテート米)Arther D. Little社発明1904ビスコースレーヨン英)コートールズ社生産開始1918キュプラ独)ベンベルグ社生産開始1918ビスコースレーヨン日)帝国人造絹糸(株)生産開始1924アセテート英)ブリテッシュセラニーズ社生産開始1936ナイロン66米)Wallace Carothers発明1938ナイロン6独)Paul Schlack発明1939ナイロン米)デュポン社生産開始1939ビニロン日)桜田一郎、李升基(リ・スンギ)、川上博、矢沢将英発明1941ポリエステル英)J. T. Dickson and J. R. Whinfield発明1949ビニロン(カネビヤン)日)鐘淵紡績生産開始1950アクリル米)デュポン社生産開始1950ビニロン日)倉敷レイヨン(株)生産開始1951ナイロン日)東洋レーヨン生産開始1953ポリエステル米)デュポン社生産開始1958ポリエステル日)帝国人造絹糸(株)と東洋レーヨンが導入技術により生産開始1959ポリウレタン米)デュポン社生産開始1962ポリプロピレン日)三菱レイヨン(株)など3社が導入技術により生産開始1988テンセルR英)コートールズ社生産開始行っていたであろう。近代において、有形の歴史的証拠としてテキスタイルを保存する考え方や方法の先鞭をつけたのはスウェーデンである。アグネス・ブランティング(Branting, A.)(1862-1930)1 0,1 1)は1600年代から続く旧家に生まれ、ストックホルムの工芸技術学校で学んだのち、1904年に教会の祭礼服などをデザインして製作する工房を開設した(写真1)。1906年にウプサラ大聖堂(Uppsala Cathedral)が所蔵する中世の典礼染織品の管理をすることになり、1908年にテキスタイル保存会としてピエタス(Pietas)をスウェーデン国立歴史博物館(Swedish HistoryMuseum)内に設立した(写真2)。ブランティ写真1アグネス・ブランティング(1862-1930)11)20