ブックタイトル御料車の保存と修復及び活用

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概要

御料車の保存と修復及び活用

て、金具によって固定される間仕切壁により、ベッドが設置された空間と主室に通る通路と区切られる。これらの変更は、この大正12(1923)年の改造時にされたものと思われる(図5)。4.調査の実施平成21(2009)年、2両の御料車の保存状態の調査が初めて行われた。そのきっかけは、鉄路局が所有する文化財である旧台湾総督府鉄道部の建物(国指定古蹟)が調査、研究、修復の後、台湾博物館の分館として経営管理される計画のためであった。そして、将来、これらの御料車を博物館の展示品とすることが検討されていた。その保存状態を診断するために、博物館から委託された中原大学は、日本から小泉和子教授を招聘し、共同研究調査を行った(写真24)。調査期間は、12月9、10日のわずか2日間であったが、大変有意義なものとなった。5.調査の結果調査日:2009.12.9-10調査場所:台湾交通部鉄路管理局調査対象:花車SA4102(1904年製)及びSA4101(1912年製)台湾交通部鉄路管理局所蔵1.現況(1)車体内装〔修理必要部分〕※()内は現写真22金色木彫の菊花御紋章図4 特別客車オトク第1号図面から写した花車SA4102の図面台湾鉄路局所蔵写真23 1923年皇太子台湾行啓の御召列車94