ブックタイトル御料車の保存と修復及び活用

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概要

御料車の保存と修復及び活用

写真19主室羽目板写真20主室羽目板写真2 1「玉章」表1御召列車編成車両施工表種類御召車特別車一等ボギー車(展望車)食堂付一等ボギー車一、二等合造ボギー車二等ボギー車旅客手荷物ボギー緩急車同上記号/番号オトク第2号オトク第1号イボ第2号イシボ第7号ニボ第103号ロボ第107号ブボ第108号ブボ第109号ペイント及びヴァニシュを決定し、色は宮廷色(深紅色)が選ばれた。御座所の外側両面には、金色木彫の直径16吋の菊花御紋章を(写真22)、その窓梁に小形の日章旗を交差させて取り付け、そこに御座所が位置することを表示した。この菊花御紋章は、皇太子行啓の後、台湾総督博物館(現国立台湾博物館)に寄贈・保存され現在に至る。起工月日竣工月日接要大正12年1月11日大正12年1月15日大正11年12月4日大正12年1月10日大正12年2月15日大正12年1月31日大正12年1月20日同年3月12日同上大正12年3月11日同年3月5日同年3月9日同年3月7日同年3月10日修繕中ナリシモノ新製車同上同上同上車内においては、御座所及び各室の床の目板もうせんや毛氈を取り替え、窓掛(カーテン)を新調した。通風窓及びその他の窓には、すべて防煙装置を設け、運転中の振動を抑えるための振動止めを設置した。椅子とそれに附属される後掛け(カバー)とクッション、電灯及び電気扇風機を新調した。車内各所の金具類はすべて銀鍍金が施されているが、表面は金色と黒色にて仕上げられた。御座所には花を生け、化粧台を設置した。また、先頭機関車より後部車長室に通じる車内電話が始めて御召列車に設置された。旅客手荷物ボギー緩急車など他の6両も改造された。ボギートラック及び連結器などを取り替え、外装は宮廷列車色(紺色)に塗粧し、カーテン、絨毯、椅子及び内部装飾品をほとんど新調した。また、防煙、通風、振動止めなどの装置を御召車に準じて装置した(写真23)。(2)特別車の改造台湾鉄路局所蔵の図面を読むと(図4)、この特別車(オトク第1号SA4102)では食堂が次室に変更され、小さな椅子5脚とサイドテーブル3脚が新たに置かれた。その次室で皇太子の随行者が控えることとなった。また、図面上では元々の食堂部分が空白になり、現状では休憩所に変更されたことが分かる。ベッドが置かれ、皇太子が一休みすることが可能になった。そし台湾の御料車について93