ブックタイトル御料車の保存と修復及び活用

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概要

御料車の保存と修復及び活用

写真3 5号御料車鉄道博物館提供大正15(1926)年、大正天皇が崩御された後の御還幸の時と昭和26(1951)年、貞明皇后の御大葬の際に霊柩車として使用された。車号は昭和26年に13号と改められた。玉座室の室内中央に古代紫色ビロード張りの玉座用大型安楽椅子を備え大卓子が置かれていたが、霊柩車に改装した際、一部撤去され現在に至っている2)。現在は、JR東日本東京総合車両センター(旧大井工場)内の車庫に保存されている。4 4号御料車明治33(1900)年新橋工場にて製作された。御料車のなかでは唯一、通路が車体中心を貫く中央通路式の構造となっていた。御座所の椅子は独立式ではなく、窓辺に長椅子が固定されていた。昭和6(1931)年に解体されてしまったため、残された資料が非常に少ない1)。5 5号御料車明治35(1902)年昭憲皇太后のお召車として新橋工場で製作された木製2軸ボギー車で、初めての皇后用の御料車である。本車は特に内装の美術品的価値が高い明治時代最高の技術を集めたとされている。下天井には川端玉章画のきがんらいえん「帰雁来燕」図が描かれている1)2)。現在は博物館明治村にて保存展示されている。(写真3)6 6号御料車明治43(1910)年に明治天皇のお召車として製作され、のちに大正天皇、昭和天皇のお召車として使用された3軸ボギー車の最初のもので全長20 mの基本の形である2)。内装は神社仏閣を御料車の保存と修復7