ブックタイトル御料車の保存と修復及び活用

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概要

御料車の保存と修復及び活用

7.結語御料車は天皇皇后陛下をはじめ皇族専用に特別に製造されたものだけに、内装に絢爛豪華な美術工芸品を用いて飾った。制作にもその当時の最高の工芸家が集まったと考えられ、それぞれの御料車がその時代を象徴するような工芸品と言っても過言ではない。ご縁あって御料車の保存処置に何度も携わさせていただいたことは保存技術者として幸福の限りである。この報告での御料車の保存処置は鉄道博物館に御料車を移送するためや特別展のためにと、期限と予算が限られていたため応急的に行った記録の一部である。100年単位で御料車を保存してゆくことを考えたとき、今後必ず本格的な保存修理を行う必要があることは明確である。将来近い時期にそれが実現することを関係者一同で願いたい。写真53台湾国立博物館所蔵「菊紋Medal」保存修理前写真55台湾国立博物館所蔵「菊紋Medal」保存修理前写真54台湾国立博物館所蔵「菊紋Medal」保存修理後写真56台湾国立博物館所蔵「菊紋Medal」保存修理後参考資料・注釈(注1)田邊幸夫『御料車物語』レールウェー・システム・リサーチ(1986)(注2)『御料車』日本国有鉄道大井工場長(1972)(注3)『鉄道博物館開館三周年特別企画展御料車?知られざる美術品』鉄道博物館(2010)(注4)大久保寅一『客貨車の話』P.270鐡道講習会(1925)(注5)(国立台湾博物館日本語沿革と建築)http://formosa.ntm.gov.tw/web/jp/2-1.html,(国立台湾博物館ウェブサイトより)http://www.ntm.gov.tw/tw/index.aspx(アクセス日)2014.01.29『修護台博館台南藝大修護研究成果専集』台湾博物館(2009)御料車における内外装の保存処置―漆工・木工など79