ブックタイトル御料車の保存と修復及び活用

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概要

御料車の保存と修復及び活用

室の折上には楓の板目に銘木を埋め込んであたかも絵筆で描いたようにみせる木象嵌の手法を用いている(写真21)。すべての飾り金具は主に「菊」をモチーフにした装飾が用いられている(写真22)。5号に比べ、華やかさには欠ける印象があるが、一つ一つの装飾の素晴らしさは目を見張るものがある。後部侍従室の後ろにごけんじだなある御寝室には御剣璽棚が設けられており、皇后用に製造された5号とは機能面でも異なっていることが見て取れる(写真23)。写真22 6号御料車御座所飾り金具御料車の保存環境の現状記録によると、明治村へ御料車を搬入する前には2両とも入念な修復作業や外壁塗装、戦災を受けた6号御料車の欠損部の復原など、美観的な面と一般の軌道を走って輸送されることか写真23 6号御料車御寝室御剣璽棚写真20 6号御料車侍従室扉上の櫛型写真21 6号御料車侍従室木象嵌の折上写真24修理中の5号御料車52