ブックタイトル御料車の保存と修復及び活用

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概要

御料車の保存と修復及び活用

柾目で、帝室技芸員の橋本雅邦が「桜」「紅葉」を描いている(写真11)。女官室には車両への御乗降口が設けられており、扉の蝶番は銀製で全体に菊花が彫られ、ねじの頭にも菊花が彫られるなど、細心の気配りで装飾されていることがうかがえる(写真12)。御座所前方の御寝室は女官室と同様、橋本雅邦による「桜と紅葉」が描かれ、楓材の額縁に納められた鏡により、狭い室内を広く感じさせるための工夫がなされている(写真13)。御閑所には漆塗りされた和式便器が設置され(写真14)、窓は他とは異なり、縁取りに藤唐草があしらわれた摺りガラスが用いられている(写真15)。また車内の床の大部分には花模様の華麗な絨毯が敷かれている。写真13 5号御料車御寝室6号御料車6号御料車は明治43(1910)年、5号御料車写真14 5号御料車御厠写真11 5号御料車女官室天井写真12 5号御料車御乗降口蝶番写真15 5号御料車御厠窓ガラス50