ブックタイトル御料車の保存と修復及び活用

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概要

御料車の保存と修復及び活用

博物館明治村の御料車保存と活用中野裕子博物館明治村主任学芸員博物館明治村について博物館明治村の設立のきっかけは、後に初代館長となる谷口吉郎が、昭和15(1940)年に鹿鳴館の取り壊しを目の当たりにし、明治時代に生まれた者として何とか遺せなかったのだろうかという後悔の念を覚えたことに端を発して御料車が明治村へもたらされた経緯博物館明治村には昭憲皇太后御料車(博物館明治村での展示名称。以下、5号御料車と表記)、明治天皇御料車(同。以下、6号御料車ちょうびと表記)の明治時代の掉尾を飾る2両の御料車が展示されている(写真3)。これら2両のいる。その後、紆余曲折を経て、昭和40(1965)年3月に博物館明治村は開館した。開館当初の移築建造物は取り壊しになる運命にあった15棟(写真1)。その後、救助が必要とされた建造物は増加し、現在建物の数は64棟を数え、そのほか蒸気機関車や京都市電などが動態展示され、博物館というより「明治村」という名の通り一つの「村」を形成しているといっても過言ではない(写真2)。また、博物館明治村の設立は各地の近代建築の保存を後押しする契機ともなったことは特筆すべきことであろう。写真1開村当時の村内マップ写真2村内全景博物館明治村の御料車保存と活用47