ブックタイトル御料車の保存と修復及び活用

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概要

御料車の保存と修復及び活用

せられる。しかし、御料車は天井から足元まで脆弱な素材で構成された資料である。これらの貴重な資料を後世に遺していくためには、やはり直接中に入ってご覧いただくことは難しい。内部に入れることができない車両をどのようにして来館者に知っていただき、知識と資料保存への理解を得るか、さまざまな制約のある中で、当館が行ってきた2つの事例を紹介したい。好評で、その後定期的に実施するイベントとなった。また御料車がどんなものなのか、なぜ隔離された展示室内に入れてあるのかがわからないという意見も多いということで、お客様の通路側からご覧いただける図録展示スタンドや、車内配置図などの設置を行いながら、少しずつではあるが情報を提示するようにしている。(写真46、47)(ⅰ)平成20(2008)年10月「御料車庫ガイドツアー」開館1周年の際に、大正期の御料車4両をガラスの内側の専用通路から、館内スタッフの説明を聞きながらご覧いただくというイベントを実施した。実施にあたっては、お客様の安全と資料の保全を両立するために、車両と通路の間にアクリル柵を設置している。ツアー開始時には、参加者に対して御料車がどのような資料であるか、事前説明を行い、手袋の着用、荷物を預けていただくなどのルールを設定、さらに人数を限定しておこなっている。車両の中に入れるわけではないが、ガラスを隔てることなく一歩近くで見ることができるということで、大変写真47アクリル柵や図録を置くスタンドを設置。このほかに車内配置図も取り付けた。写真46御料車庫ガイドツアーの様子各回20名としているが、毎回多くのお客様に参加していただいている。44