ブックタイトル御料車の保存と修復及び活用

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概要

御料車の保存と修復及び活用

写真87号御料車外観写真9 御座所寺社仏閣を思わせる日本的な内装。天井には天平唐草の文様、折上や下天井にも織物が張られ、吹寄と扉の左右には「波に戯れる千鳥」が織り出された綴織がはめられている。写真11扉の螺鈿細工は天井の図柄とデザインをくしがたつまかざり統一させた花葉文様が表され、櫛形妻飾は七宝焼で、鳳凰と菊紋章の図となっている。ご写真10 御けん剣じほうあんしつ璽奉安室神剣神璽を安置する部屋で、それまで御座所や御化粧室内に専用の棚を設けていたが、初めて独立した一室となった。5 10号御料車:大正11(1922)年製造10号は、英国皇太子エドワード・アルバート殿下の来日に合わせて、計画・製造された車両で、唯一展望デッキのついた車両となっている。国賓用として使用され、シャム国皇帝(プラシャデー・ポーク)、満州国皇帝(溥儀)が乗車した記録が残されている。車端部が展望室となっているため、他の御座所よりも明るく広い印象を受ける。当時の鉄道車両としては最大級の大型ガラスが使われ、眺望の確保に努めたことが伺われる。このほか内部は、御休憩室、ぐぶいんしつ御化粧室、供奉員室などに分かれている。展望きくまがき室の仕切や吹寄、引戸には「菊真垣」と呼ばれ鉄道博物館の御料車31