ブックタイトル御料車の保存と修復及び活用

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概要

御料車の保存と修復及び活用

写真52号御料車(初代)外観写真6欧風の雰囲気が漂う御座所写真7御座所には油灯も取り付けられていた。りとなっている。明治末期に鉄道車両の車体に漆を塗ることを提唱した六角紫水により、7号の製造時から漆が外装にも取り入れられたというが、車体外板のみならず床下機器・台車まで漆で塗装されたという。また、このほか金具がじょうみえいのすけこうふ紹美英之助、螺鈿・蒔絵は戸島光妥と片岡照こうもとうざん三郎、漆塗は河面冬山らが担当したとの記録がある。(写真8?11)4 9号御料車:大正3(1914)年製造9号は7号、8号(後述)に付随する初の独立した食堂車として製造された。内部は、御料理御休憩室、御食堂室、献立室、御料理室、休憩室2室、御化粧室、御厠などに分かれている。御食堂室の内装はすべて桑の無垢材を使い、色を塗らない漆仕上げにより、美しい木目を生かしている。上下天井には藤をデザインした文様の織物が張られている。食堂室の最大の特徴は2枚の鷹の刺繍画である。鷹の鋭い眼光、羽根の艶や質感、止まり木や鷹の脚に結ばれている組紐の立体感は圧巻であるが、制作者は不明である。なお、現在御食堂室内の椅子、テーブルは11号のものとなっている。(写真12 ? 15)30