ブックタイトル御料車の保存と修復及び活用

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概要

御料車の保存と修復及び活用

の20 m級3軸ボギー御料車第6号12)、大正時代に入ると大正3(1914)年11月に御料車第7号、翌年に御神体移送用の賢所乗御車、さらに大正11(1922)年4月には展望御料車第10号13)が製造された。これらは全て木製車体で二重屋根の3軸ボギー車である。昭和期に入ると車体が鋼製化され強度面での安全性が向上した。昭和7(1932)年3月に3軸ボギーの御料車第1号(現第3号)(写真6)14)などが鉄道省大井工場で製造され、加えて供奉車も8両製造された。第二次世界大戦後の昭和24(1949)年6月に運輸省所管の公共企業体日本国有鉄道が発足し、昭和35(1960)年10月には近代的な2軸ボギー軽量鋼製車体の御料車第1号(写真7)15)、さらに同年6月には電車形で非公式お召列車用貴賓電車クロ157-1号(写真8)16)が川崎車輌で1両誕生した。昭和時代にはこれに続く御料車は製造されず、昭和62(1987)年4月の国鉄からJR各社への移行後、平成19(2007)年7月にJR東日本が御料車の代替でE655系電車を新製しただけである。3.鉄道車両製造技術史面からみた御料車鉄道車両製造面からみた御料車の技術史について、順を追って要点を述べる。3.1 2軸木製御料車サロン客車も含めて、明治期の御料車はいず写真6第1号(現第3号)御料車写真7第1号御料車日本における御料車と技術史面での意義19