ブックタイトル御料車の保存と修復及び活用

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概要

御料車の保存と修復及び活用

表1御料車一覧年代番号用途形式製造年記事鉄道記念物指定保管場所初代第1号初代第2号明初代天皇第3号(霊柩移送)(第13号)治皇太子第4号妃殿下大正昭和第5号第6号第7号第8号第9号第10号第11号第12号賢所乗御車旧第3号第1号第2号第3号(旧第1号)第14号第330号第340号第460号第461号第344号第335号第462号第463号クロ157?1号天皇木製2軸車明治9年天皇木製2軸車明治24年皇太后天皇天皇皇后皇后食堂国賓(展望)国賓(食堂)摂政官(天皇)賢所移送皇太后天皇皇后皇后天皇皇后皇太子(国賓)1号編成用供奉車1号編成用供奉車2号編成用供奉車2号編成用供奉車天皇皇后木製2軸ボギー車木製2軸ボギー車木製2軸ボギー車木製3軸ボギー車木製3軸ボギー車木製3軸ボギー車木製3軸ボギー車木製3軸ボギー車木製3軸ボギー車木製3軸ボギー車木製3軸ボギー車鋼製3軸ボギー車鋼製2軸ボギー車鋼製3軸ボギー車鋼製3軸ボギー車鋼製3軸ボギー車鋼製2軸ボギー車鋼製3軸ボギー車鋼製3軸ボギー車鋼製3軸ボギー車鋼製2軸ボギー車明治31年10月明治33年4月明治35年3月明治43年10月大正3年11月大正5年1月大正3年1月大正11年4月大正11年4月大正13年大正4年昭和11年3月昭和35年10月昭和8年2月昭和7年3月昭和13年昭和6年昭和6年昭和7年明治10年2月5日、京都神戸間開通式行幸時に初めてお召しになる。イギリス人監督の下に国産。外板は一枚張り、照明は油灯。明治35年九州大演習時にお召しになる。九州鉄道がドイツより購入。一部改造用材は主としてチーク材。照明は電灯と油灯の併用。御料車ボギー化の最初。欅や桑等主として国産材を使用。後に霊柩車に改造。初代第3号、第5号と同系列。用材は主として楓チークに桐。昭和5年12月廃車解体処理御座所は深紅色のビロード張り、天井は金砂子紋様、帰雁来燕、桜花紅葉の図を描く。川端玉章、橋本雅邦の筆。最初の3軸ボギー車。中央に御紋章を、両翼に桐の御紋を配し周囲に黄金色小紋をちりばめ、最も美しい車両。用材はチーク、調度品・窓枠は花梨。御座所は螺鈿蒔絵浜千鳥の綴錦で飾られる。綴錦は川島甚兵衛、金具は紹美英之助、螺鈿・蒔絵は戸島光妥、片岡照三郎、漆は河面冬山。御座所木部は帯紅紫紺色壁面に綴錦で四季を表す。綴錦は川島甚兵衛、螺鈿は片岡照三郎。用材は殆ど桑材を使用。綴錦は川島甚兵衛、螺鈿細工は片岡照三郎。最初の大型車。イギリス皇太子御来朝時に製作された展望車。展望室御化粧室の用材はマホガニー。第10号と同じ目的で制作された食堂車。壁面には花鳥の刺繍や四季の花実の彫刻が施されていた。用材はマホガニー及び欅。昭和天皇が摂政の時のお召。腰羽目は樟の寄木細工、天井や壁は洋花唐草模様の斜子地張り。岡田三郎助の草花の油絵額を置く。大正天皇・昭和天皇御大礼の時、賢所移送用として製作。中央部は檜の白木神殿作り。御座所は格天井、壁面は錦織及び浮上織裂地張り、床は緞通。入り口には錦織張りの衝立を置き、柱や椅子は帯紅紫紺色の漆塗り。蛍光灯の採用、天井冷房装置、ラジオやテレビを備え近代車両の粋を集めた。室はビロード綴錦緞子張り、用材はチーク及び玄圃梨。御座所の用材は塩地。壁や天井はボカシ綴織、床は毛織緞通、調度は朱漆。昭和34年に近代化工事を実施。最初の鋼製御料車。壁は天平草花模様、天井は縹色の斜子織、床は毛織緞通。用材は樟。御座所のみ下降式窓。昭和33年近代化工事実施。皇族用として作られた特室付き寝台車。後に皇太子殿下の立太子の時に改造して14号となる。特室の用材は塩地柾目。供進所付き1等車。昭和33年蛍光灯の取付及び椅子地張替。昭和35年に電気方式改造冷房及び空気バネ台車取付。荷物電源車、昭和33年及び35年に改造2等、3等室を廃し電源を取付。1等車(供進所付き)、昭和34年に蛍光灯取付及び椅子地張替。335号はこの時2等を1等に車種改造。昭和33年平成15年重要文化財指定昭和38年昭和34年昭和34年昭和42年昭和44年昭和44年昭和44年鉄道博物館鉄道博物館大井工場昭和5年12月廃車解体博物館明治村博物館明治村鉄道博物館一部のみ鉄道博物館鉄道博物館鉄道博物館昭和40年解体鉄道博物館大井工場大井工場大井工場大井工場大井工場大井工場大井工場大井工場昭和7年2・3等荷物車。昭和34年に蛍光灯取付及び椅子地張替。―昭和35年6月内装は「こだま」形を高度化し艤装は「日光」形に準じている。「御料車物語」田邉幸夫著昭和61年刊行より一部抜粋――ぶりそれが固まってしまって、もともとの裂地の劣化と相まって裂地とは思えない状態になってしまっているものもある。このように劣化してしまった裂地製品の修復に関しては、取り外して(解体して)裂地の裏打ちなどが可能なものについては裏打ちし、再度組み立てるぐらいしか現時点でとるべき手だてが無い。ましてや裏打ちもできないほど劣化してしまっているものに関しては、ほとんど手のうちようがなく、目立たないように同色に染めたネットをかぶせて、それ以上劣化が進むのを遅らせる処置を施すくらいのことしかできない(写真10)。12