ブックタイトル御料車の保存と修復及び活用

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概要

御料車の保存と修復及び活用

それらを公開しながら保存したい考えがあるだろうとは思います。現在の御料車として運転されるE655系電車に取って代わられた1号御料車(3代)は形式上では現役です。ですから、直ちに博物館で展示できるかどうかは、すぐに答えられることではないと思います。ただ、我々としては残さなければいけない車両だろうと思います。先程、田邉が話しましたように、昭和30年代(1955? 1964)に続々と廃車となる状況があり、歴史的に考えてみると、その時期はちょうど国鉄が赤字になる前後であったと思います。車両を保存したくてもできない状態だったと思われます。我々としては昭和期の御料車も保存したいと思いますし、おそらくJR東日本も保存したいと願っていることでしょう。ただ、まだ現役の車両ですので公式見解は出ないと思います。(嶋立良晴)●御料車の文化財指定について鉄道博物館の1号御料車は重要文化財に指定されていますが、その他の御料車が文化財として指定されていないのはなぜでしょうか。美術的価値が高いということは指摘されていますが、なぜ1号御料車以外は文化財指定されていないのでしょうか。また、法の下、台湾の御料車は保護されているのでしょうか。正確な回答を得るには文化庁に質問しなくてはいけませんが、私が考えるに文化庁では日本鉄道史において現存最古かつ国産初である点と工芸装飾を評価して1号御料車を文化財指定したと思います。(中山俊介)台湾では御料車は文化財指定の対象ではありません。御料車の所有者は台湾鉄路管理局ですが、過去には御料車を売却する意向を示し、日本の文化庁に該当する文化部という機関が中心となって売却を阻止したことがありました。現在は頻繁ではありませんが御料車の一般公開を行うこともあります。また、将来、鉄路管理局の昔の建物を博物館にするため、御料車の保存と展示をする計画があります。(黄俊銘)●御料車の価値を伝えることについて御料車の価値を認識してもらうために、何かアイデアはあるのでしょうか。私も御料車の価値を広める重要性を感じています。鉄道博物館では過去に御料車展を開催しました。また、ガラスで仕切られた展示空間の内部にて見学ツアーも行いましたので、それを継続できればと思います。(嶋立良晴)質疑応答より99