近代建築に使用されている油性塗料

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近代建築に使用されている油性塗料

58この原因は、共役二重結合にある。二重結合の共役構造は、ディールス-アルダー反応を受ける。つまり、2つの二重結合が、別の1つの分子の二重結合と反応し、中間体として六員環構造を形成する。それが、2つの分子鎖をつなぐこととなり、二量体が形成される。これは、ロジンと無水マレイン酸を一緒に溶融した際に起こる反応(ディールス-アルダー反応)と同じものである(図4)。多くの場合、桐油はそのままの状態で塗料のバインダーとして使われることはなく、まず、フェノール類で改質される。それゆえに、非常に硬く、化学物質、熱、風化や機械的磨耗に対して耐性のある表面塗膜を形成するのである。リカン酸COOHOH3C171311941図4 共役脂肪酸の二量体形成図3 トリエステルの架橋結合によって形成された油膜