近代建築に使用されている油性塗料

近代建築に使用されている油性塗料 page 34/74

電子ブックを開く

このページは 近代建築に使用されている油性塗料 の電子ブックに掲載されている34ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「電子ブックを開く」をクリックすると今すぐ対象ページへ移動します。

概要:
近代建築に使用されている油性塗料

32らの建築に従事した人は多少判明しているものの、材料の入手先などわからないことは多い。睦沢村での新校舎建築に関しては、当時の新聞記事によると、200件あまりもの戸数を誇る村とはいえ、川と山に挟まれた僻地であり、そのなかで、2,000円余りもかけて、立派に学校を造ったということ、これは甲府から二、三里四方においては、比較できないほど念を入れた洋風造であったことが記されている(図3)。建築に携わったのは松まつ木き 輝てる殷しげで、大工の家系に生まれたが、明治初期においては山梨県令の藤村紫朗の施策に従い、いくつかの作品を残している方である。職人については判明しないが、材料については、窓ガラスや敷物など取り寄せていることが新聞記事からわかり、塗装についてもペンキを入手していたのではないかと想像写真4 旧睦沢学校校舎-移築前-(明治8年竣工)図2  甲府市内の様子(『甲府日日新聞』明治9年9月25日付2面)株式会社山梨日日新聞社提供図3  睦沢学校開業時の様子(『甲府日日新聞』明治9年6月14日付3面)株式会社山梨日日新聞社提供