近代建築に使用されている油性塗料

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近代建築に使用されている油性塗料

文化財の修復事例からの油性塗料の使用実績等の概要  31擬洋風建築が多く建てられたことが資料からわかっている。そのうち、いくつかの建物が現存しており、旧睦沢学校校舎もその最初期の建築のひとつである。建築後、長らく学校校舎として利用されたが解体の危機に遭い、有志により甲府市内の武田神社境内に移築されていた。写真4は、その頃の様子である。近年、甲府市により、甲府駅前に再移築されることに併せ、詳細な調査を行った。明治初期の油性塗料の使用事例となるため、詳しく報告したい。明治9年(1876)頃の甲府市内の様子を記した新聞記事が残っている(図2)。裁判所や病院、県令邸宅など、至る所に擬洋風建築が建ち並ぶ様子がみられる。明治10年(1877)にこの地を訪れた駐日英国大使のアーネスト・サトウ(Ernest M. Satow)は、その日記に甲府の洋風建築の数は「街の規模からして日本一」と記していることからも、当時の甲府は日本の中でも特筆すべきことだったことがわかる。これ表2 ふるさと文化財の森設定地一覧(平成24年2月1日現在)材種名称所在地1漆浄法寺漆林岩手県二戸市2アカマツ岩手大学滝沢演習林岩手県滝沢村3茅大内宿茅場福島県下郷町4檜皮羽賀寺境内林福井県小浜市5檜皮明通寺境内林福井県小浜市6檜皮吉川八幡宮境内林岡山県吉備中央町7檜皮八幡神社境内林岡山県吉備中央町8檜皮大和神社境内林岡山県吉備中央町9サワラ東京大学秩父演習林埼玉県秩父市10檜皮日竜峰寺境内林岐阜県関市11檜皮観心寺境内林大阪府河内長野市12檜皮金剛寺境内林大阪府河内長野市13檜皮意賀美神社境内林大阪府泉佐野市14檜皮京都大学徳山試験地山口県周南市15い草八代地域い草圃熊本県八代市、氷川町16茅金沢湯桶茅場石川県金沢市17檜皮大瀧神社境内林福井県越前市18ヒノキ紀北町速水林業ヒノキ林(井出地区)三重県紀北町19ヒノキ紀北町速水林業ヒノキ林(大田賀平尾地区)三重県紀北町20ヒノキ吉田本家山林部ヒノキ林三重県大台町21漆夜久野丹波漆林京都府福知山市材種名称所在地22茅岩湧山茅場大阪府河内長野市23茅上品山茅場宮城県石巻市24苧殻鹿沼野州麻畑栃木県鹿沼市25ヒノキ・スギ秦野市諸戸林業ヒノキ・スギ林神奈川県秦野市26檜皮雲峰寺境内林山梨県甲州市27ヒノキ・スギ亀山市諸戸林業ヒノキ・スギ林三重県亀山市28スギ智頭町有スギ林鳥取県智頭町29い草備後熊野い草圃広島県福山市30七島い国東地域七島い圃大分県国東市31スギ・ヒバ岩手大学御明神演習林岩手県岩手郡雫石町32茅なかなた茅場福井県小浜市33檜皮おおい町福谷地区ヒノキ林福井県大飯郡おおい町34クスノキ東京大学樹芸研究所クスノキ林静岡県賀茂郡南伊豆町35スギ・ヒノキ新城市昭典木材スギ・ヒノキ林愛知県新城市36檜皮千石谷のスギ・ヒノキ林大阪府河内長野市37スギ・ヒノキ岡山県有スギ・ヒノキ林(御大典記念林)岡山県津山市38檜皮西上山林組合ヒノキ林岡山県津山市写真2 旧鹿児島紡績所技師館(慶応3年竣工)写真3 旧新潟税関庁舎(明治2年竣工)